家族や親族を介護するために退職すると、単なる自己都合で退職したときよりも失業保険を早く受け取ることができます。
失業保険を早く受け取るためには「看護に関する証明書」という書類をハローワークに提出し、自分の退職理由が本当に介護するためであったことを証明する必要があります。
通常は失業手当を受給するには3ヶ月間の待機期間が過ぎるのを待たなければならないのですが、介護のために退職したことを証明できれば「特定理由離職者」となり、待機期間が免除されるのです。
失業保険が支給されるまでの最短日数についてはこちらの記事に詳しく書きましたので、合わせてご覧ください!

では、今回は「看護に関する証明書」について詳しく書いていきます。
ざっと見出し
「看護に関する証明書」とは?

離職する時点で家族や親族の介護が必要であったことを、医師に証明してもらう書類です。
介護される人のかかりつけの病院にお願いして、主治医に書いてもらう必要があります。
私の場合は祖母が急に認知症を発症して介護が必要になって急遽退職したので、祖母の主治医に頼んで書いてもらいました。
実際のところ、家族のうち誰が誰を介護しているかなんてお医者さんは詳しく知りません。
介護を理由に退職したこと、実際に自分が介護していること、失業保険の手続きに証明書が必要であることを医師に説明すれば、書いてもらえると思います。
看護に関する証明書の内容
看護に関する証明書の要点だけをまとめるとこうなります。
【看護に関する証明書】
- 申請者の氏名(自分の名前)
- 退職日
- 看護(介護)を必要とする人の氏名
- 続柄
- 病名・症状
- 初診日
- [退職日時点で、本人による看護(介護)30日を超えて必要であると見込まれたか]ア)はい、見込まれました。
イ)いいえ、見込まれませんでした。 - [現在は状況が改善し、本人による看護(介護)がそこまで必要でなく、本人は働ける状態か]
ア)はい、働けます。
イ)いいえ、まだ働けません。 - 記入日
- 病院の住所
- 病院名
- 連絡先
- 医師の署名・印鑑
緑色の部分は、医師が記入する項目です。
実際にはもっと堅苦しい文面で書かれていますが、主旨は上記のようになります。
記載事項の中に質問文が2つあって、それぞれに「ア」と「イ」の選択肢が用意されています。
医師は「ア」か「イ」のどちらかを選んでマルをつけることになっています。
このとき、必ず「ア」を選んでもらう必要があるので注意しましょう。
「看護に関する証明書」によって証明すべきこと

先ほど2つの質問に対する答えは「ア」を選んでもらう必要があると書きました。
その理由は、「看護に関する証明書」によって証明するべきことは以下の2つだからです。
- 退職した時点で、30日以上 自分が介護する必要があった
- 今は介護の負担が減って、働ける状態になった
介護を理由に退職したことを証明するには、
「どうしても自分が介護しなければならなくて、その期間が30日を超えていた」
ということを医師に証明してもらう必要があります。
また失業保険は「働く意思があって仕事を探しているけど、まだ仕事が見つからなくて就職できない」という人をサポートするための保険なので、
働く意思のない人や働ける状況にない人は受給できません。
「看護に関する証明書」によって証明されるべきことは、
介護に専念するために仕事を辞めたけど、今はもう働けます
ということなのです。
2つの質問では、このことを確かめているのですね。
だから担当医が間違えて「イ」にマルをしてしまうと、書類をハローワークに提出したところで意味がなくなってしまうのです。
お医者さんが間違えてマルをしないよう、書類を記入してもらうときに説明したほうが良いと思います。
証明書を書いてもらう費用

医師に証明書を書いてもらうには、お金がかかります。
手数料は病院によって違うので、直接問い合わせるのが一番確実です。
私の場合は 1,080円でした。
電話で問い合わせたら「実物を確認しないとなんとも言えません」と言われたので、直接病院に行って書類を見せて、初めて金額を教えてもらえました。
そこまで大きな病院ではなかったので、電話口の人も「看護に関する証明書」という名前を聞いたことがなかったのかもしれません。
一度電話で問い合わせてみてわからないようであれば、直接行ってみるしかないです。
なかなか手間がかかりますね。
証明書の発行にかかる日数

証明書の発行には申し込んでから 1〜2週間はかかると考えておいた方がいいようです。
私も最初は「2週間くらいでお渡しできます」と言われたのですが、できれば次にハローワークに行くときに提出したかったので、至急でお願いしたいことを伝えました。
すると 3日後には書類が出来上がったと電話があって、無事にハローワークの日に間に合いました。
病院によって対応は違うと思いますが、ダメ元でお願いしてみた方がいいと思います。
どこで手に入る?

「看護に関する証明書」は、ハローワークの失業保険(雇用保険)の窓口でもらうことができます。
インターネットでダウンロードできないものかと最寄のハローワークに問い合わせてみたのですが、書類をもらうには直接窓口に行くしかないそうです。
ちょっと不便ですね。
いずれにせよ失業手当を受けとるためには必ずハローワークに行くことになるので、失業保険の申請をする時に
「介護のために退職したので、必要書類をください」
と申し出ましょう。
離職票-2 の退職理由の欄に「介護による退職」などの記載があればこちらから申し出なくてもハローワークの職員が書類を用意してくれるかもしれませんが、下手すると「自己都合による退職」の扱いのまま手続きを進められてしまうことがありますので注意してください。
ハローワークへの提出期限

ハローワークへの提出期限は特にありません。
ただあまり遅くなってしまうと受給開始が遅くなるので、失業保険の初回の認定日までに出すのがベストだと思います。
失業保険の認定日に関しては、ハローワークで失業保険の手続きを申し込んだときに教えてもらえます。
すでに失業保険のしおりをもらった人は、しおりの表紙に書いてあるはずなので確認してみましょう。
「看護に関する証明書」まとめ
書いてきた通り、家族や親族を介護するために仕事をやめた人は、ハローワークで失業保険の手続きをする際に「看護に関する証明書」をもらってくださいね。
介護されている人のかかりつけの病院に証明書を持って行き、担当医に記入してもらいましょう。
証明書を書いてもらったら、ハローワークに提出します。
無事に書類が受理されれば、失業保険の待機期間が免除されて給付金を早く受け取れるようになる、というわけですね。
なにかと手間がかかりますが、3ヶ月待たずに失業手当を受け取れるのはとても助かる制度です。
最初に頑張ってしまえば、あとは恩恵を受けるだけです。
勢いで済ませてしまいましょう。